リフォーム事例
祖母のブローチがリングに生まれ変わるまで
「祖母が大切にしていたブローチなんですが、ブローチって普段使いにくくて……」。そんなご相談からこのリフォームは始まりました。
お持ちいただいたのは、K18のブローチ。花をモチーフにした繊細なデザインで、中央に小さなダイヤモンドがセットされていました。おそらく1970年代に作られたもので、当時の職人の丁寧な仕事が随所に感じられる美しい一品でした。
お客様のご希望は「毎日つけられるリングにしたい」ということ。ブローチの華やかさを残しつつ、現代の日常に馴染むデザインを一緒に考えていきました。
まず、ブローチを丁寧に分解し、地金と石を取り出します。K18の地金は溶かして新しい地金と合わせ、リングの素材として再利用します。ダイヤモンドは洗浄して状態を確認し、新しいリングの主役として活かすことにしました。
デザインは、シグネットリングをベースにしたミニマルなフォルム。フラットな面の中央にダイヤモンドを一石セットし、サイドには極細のラインを入れて、元のブローチの「花」のエッセンスを抽象的に表現しました。
製作期間は約4週間。完成したリングをお渡しした際、お客様は「祖母のブローチが、私のリングになった」と、とても喜んでくださいました。
形は変わっても、そこに込められた想いは変わらない。むしろ、毎日身につけることで、おばあさまとの記憶がより身近になったのではないかと思います。
これがRETOLD TOKYOの考える「語り直し」です。ジュエリーの物語は、かたちを変えてもなお続いていく。そのお手伝いができることを、私たちは何よりうれしく思っています。